突然の水漏れ、トイレから水が溢れ出す、キッチンの蛇口が止まらない。
そんな緊急事態で最初にやることは、水の供給を止めることです。しかし、いざという時に「止水栓」や「元栓」の場所が分からず、慌てふためいてしまう方は少なくありません。
実際、年間2万件以上の漏水事故が発生しており、初回の水漏れ時にパニックになるケースが多いと報告されています。止水が遅れると、床や壁への浸水、階下への水漏れ、さらには水道代の高額請求といった二次被害が拡大します。
この記事では、住居タイプや水回り別に止水栓・元栓の場所を一瞬で見つける方法と、緊急時の対応手順を具体的に解説します。
最初にやること|止水栓と元栓、何が違う?
水漏れが起きた時、闇雲に探すのではなく、まず止水栓と元栓の役割の違いを理解しておくことが重要です。
止水栓は、トイレやキッチンなど各水回りの給水を個別に止めるバルブです。給水管の末端近くに設置されており、漏水箇所が特定できている場合はこちらを閉めることで、他の場所の水は使い続けられます。
一方、元栓は建物全体の給水を止める最上流のバルブで、水道メーター付近に設置されています。
止水栓が見つからない、または故障している場合の最終手段として使用します。ただし、元栓を閉めると家中の水が使えなくなるため、注意が必要です。
どちらも基本的な回し方は共通しており、時計回りで閉栓、反時計回りで開栓です。完全に閉めることで確実に止水できます。
住居タイプ別・元栓の場所はここを探せ!
元栓の場所は住居タイプによって大きく異なります。以下の表で確認してください。
| 住居タイプ | 元栓の場所 | 探すポイント |
|---|---|---|
| 戸建て住宅 | 敷地内の道路側地面 | 「量水器」「止水栓」と書かれた蓋を探す。敷地境界から1m以内が一般的 |
| マンション | 玄関外の廊下・パイプスペース内 | メーターボックス内に設置。共有部分のため管理規約を確認 |
| アパート | 建物の共用部分 | 大家さんや管理会社に事前確認が必要 |
戸建て住宅の場合、元栓は敷地内の道路側地面にあることがほとんどです。
水道メーターボックスが敷地境界付近に設置されており、その内部に元栓があります。冬期は防寒カバーがかかっていることもあります。ただし、庭の造成などで埋没しているケースもあるため、見つからない場合は水道メーター検針票で確認しましょう。
マンションでは、個別の止水栓は専有部内にありますが、元栓は玄関外のパイプスペース(PS)や廊下のメーターボックス内に設置されていることが一般的です。
パイプスペース(PS)とは:配管を通すために設けられた共用スペースのことです。
集合住宅の給水設計上、各住戸の元栓は共有部分に配置されるため、緊急時以外は管理会社に連絡することをおすすめします。
アパートの場合も、止水栓は室内にありますが、元栓は建物の共用部分で管理されています。小規模集合住宅では築年数による設置位置の差が大きいため、入居時に確認しておくと安心です。
水回り別・止水栓の場所を一瞬で見つける方法
各水回りの止水栓は、給水管の末端近くに設置されています。
- トイレ
タンク脇または背面の給水ホース付近。壁から出ている給水管とタンクをつなぐホースの根元に、マイナスドライバーで回すタイプのバルブがあります。 - キッチン・洗面台
シンク下や洗面台下の収納スペース内。奥の壁側に、給水用と給湯用の2本の止水栓が設置されているのが標準です。 - 浴室
比較的新しい住宅では蛇口本体に内蔵されていることが多くなっています。蛇口の化粧カバーを外すと止水栓にアクセスできます。古い水栓には存在しない場合もあります。
背面パネルで隠れていることもあるため、懐中電灯やスマートフォンのライトで照らしながら探すとよいでしょう。
見つからない時の裏ワザ3選
どうしても止水栓の場所が分からない場合、以下の方法を試してください。
裏ワザ①:給水管を辿る
最も確実なのは、蛇口から伸びる給水ホースを目で追っていく方法です。
配管設計上、給水ホースの先には必ず止水栓があります。暗い場所では照明で照らしながら探すと見つけやすくなります。
裏ワザ②:元栓から逆算する
止水栓がどうしても見つからない、または固着して動かない場合は、迷わず元栓を閉めることです。
元栓は最上流にあるため、確実に全ての水を止められます。生活用水が全停止するデメリットはありますが、被害拡大を防ぐ最優先事項として判断してください。
裏ワザ③:水道メーターで漏水確認
全ての蛇口を閉めた状態で、水道メーターのパイロット(回転する小さな部品)が動いているか確認してください。
動いていればどこかで漏水している証拠です。メーター内部の構造上、この方法で漏水の有無を判断できます。
止水の正しい手順と絶対に守るべき注意点
止水栓や元栓を操作する際は、以下の手順と注意点を守ってください。
閉栓は完全に、開栓は段階的に行うのが基本です。
閉める時は時計回りに回し、抵抗がなくなるまでしっかり閉めます。一方、開栓時は急激に開けると水圧変動で配管に負担がかかるため、ゆっくりと反時計回りに回してください。
最も注意すべきは、固着している止水栓を無理に回さないことです。
長年使用していない止水栓は、内部部品が経年劣化で固まっていることがあります。無理に力を加えると内部が破損し、かえって止水できなくなる可能性があります。
潤滑油を使っても改善しない場合は、すぐに元栓を閉めて専門業者を呼びましょう。
また、配管工事は水道法により有資格者のみが実施可能です。止水栓自体の交換や配管の修理は、必ず水道局指定の業者に依頼してください。
止まらない場合の段階的対応
止水栓を閉めても水が止まらない場合は、以下の順序で対応します。
- 他の止水栓を確認(給水・給湯の両方を閉めたか再確認)
- 元栓を閉める(それでも止まらない場合は、建物全体の元栓を閉栓)
- 専門業者に連絡(止水栓内部や配管本体の故障が疑われる場合は、すぐに業者を呼ぶ)
マンションやアパートの共有部分にある元栓は、無断で操作すると他の住戸に影響が出るため、可能な限り管理会社に連絡してください。
ただし、深夜など緊急時は被害拡大防止を優先し、事後報告でも構いません。
まとめ:平時の確認が最大の備え
水漏れの被害を最小限に抑えるには、止水栓と元栓の場所を平時に確認しておくことが何より重要です。
スマートフォンで写真を撮影し、家族全員で共有しておけば、いざという時の探索時間を大幅に短縮できます。
止水の基本は「止水栓→元栓→業者連絡」の順。この優先順位を頭に入れておくだけで、パニックに陥らず冷静に対応できるはずです。
今すぐ、家中の止水栓・元栓の場所をチェックしてみてください。

